The Internet Is About to Get Weird Again
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挙げられる個人・団体のウェブサイトを見ると、どれもシンプルながら独自の美学と手作り感があり、確かに「奇妙」(weird)と評したくなるのも分かります。ダッシュはそこに「ご近所さんのように親密でつながりのあるインターネットの楽しさの発見」を見出し、個人が作るオープンで人間的なウェブへの回帰に期待しているわけです。 エベレスト・ピプキン:デジタル文化の境界を探求するデジタルアーティスト
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School for Poetic Computation(SFPC):デジタルアートのオルタナティブ・スクール
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Mask on Zone:SFPCの共同ディレクターであるネタ・ボマーニとアーティストで開発者のリトゥ・ギヤとのコラボレーションで、デモ参加者や抗議者に、抗議活動への参加前、参加中、参加後の監視を避けるためのガイダンスを提供する反監視ツールキット
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ステファン・ボアチェック:誰もにシンプルな自動ボットの作成を可能にするボットウィザード
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エラン・キダーマン・ウレンドルフ:「アルゴリズムからの脱出」をテーマとする一連のツールやウェブサイトを通じ、普通のインターネットユーザーに今と違うデジタル世界の可能性を示す(例:アルゴリズムに無視された、ほとんどストリーミングされていないオリジナル曲を探索できるYouTune)
https://gyazo.com/44c72ac3a4e96869243b1598a40c8b3e
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ダリウス・カゼミ:健全で建設的な、ヒューマンスケールのオンラインコミュニティを築くためのツールを手がけるプログラマー、コミュニティオーガナイザー
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「いまサイトリニューアルしてるんだよね」
「もはやインターネットのインターが機能してないよね」
「プラットフォームに依存しないで、昔のテキストサイトみたいにリンク集で人を動かした方がいいんじゃない」
「やっぱり独自ドメインのブログはいいよ。何にも干渉されないし。自分のやりたいようにできる」
「なんかもう一周まわってインターネットにクラフト感が必要かも」 「めっちゃいいねそれ」
「うん、なんかよくわかんないけどいいよね」
どこまで強欲に繋がり続けるインターネット。懐古主義で過去を懐かしがっても仕方がないからこそ、囲まれすぎたシステムから一歩踏み出す姿勢が大事なんだろう。元々のインターネットを取り戻すことはできない。利害関係に距離を置いて、空虚なつながりに見切りをつけて、手の届く範囲で自分の信じる空間をつくる。これしかない
思えば、これはワタシ自身がずっと追いかけてきたテーマでもあります。WiredVisionの連載をまとめた電子書籍のテーマは、(江渡浩一郎氏が「序文」で書いたように)ウェブの「生成力(generativity)」、「生成的(generative)」なウェブでした。そして、このサイトでの2016年までの連載をまとめた2冊目の電子書籍のタイトルは『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて』です。 生成的(generative)な場である開かれたウェブはもはや絶滅したかに見え、generativeという単語は2023年、完全に「生成AI(generative AI)」のものでした。同じ単語でも指す意味合いが異なるので、ここでワタシが「generativeをAIから人間の手に取り戻せ!」などと書くと、質の悪い煽りになってしまうのですが、まさか2024年になって、生成的な場としての開かれたウェブを取り戻そうという話を書くことになるとは予想していませんでした。 プラットフォームのアルゴリズムから逸脱した個人の手によるヒューマンウェブの「奇妙」(weird)さが求められるのは、おかしな話ではないのです。